借金まみれでも考えていたこと
当然まずは借金返済が第一なのでアプリを使って家計収支の把握し節約に勤め、毎月の給料のほとんどは借金の返済(前回記事の通り、正確にはリボ払い完済の為に家族から借りたお金の返済)に充てていました。
一方、以前から投資をしていたこともあり、当時勤めていた会社の持株会に加入していたこともあって、少しばかりの「資産」を持っていました。これらの資産は借金返済の為であっても現金化することなくガチホし続けており、今考えると資産を持っていたことで返済が円滑に進んだこともあるし、そもそも一定の資産があるからこそ、資産=信用となり家族もお金を貸してくれたのだと思います。
借金返済後にどうやって自分の生活を豊かにしていくのか
借金返済するために生きているわけではない以上、完済はスタートでありゴールではありません。その先を思い描き、目標を立てることも返済の為の大事なアクションであると考えます。
なぜ資産を売らなかったか
ちなみに、当時私が持っていた資産は大きく下記の3種類です。
- 現金
- 株
- 個別株
- 投資信託
- 持株会で積み立ててた自社株
- 仮想通貨(Ripple/XRP)
当時は現金の用途はほとんど借金の返済と生活費に消えていく為、ほとんど手元に残らない状態でした。現預金が月末時点でほぼ0というのが毎月続くわけですが、貯金をしていないにも関わらず、家計簿アプリに表示される総資産は勝手に増えていっていました。
なぜ増えていたのかといえば、私が現金以外の資産を持っていたからです。投資信託は楽天のポイントを毎月積み立てていたのと、当時勤めていた会社の自社株も給料からの天引き(持株会)でしたので、自然とドルコスト平均法の投資ができており、結果として毎年評価額が上がっていく状態を作れていました。
仮想通貨は非常にボラティリティ(値動きの幅)の高い資産で、リスキーではありますが、今までに存在していない資産クラスで、世界を変える可能性のある技術そのものであり将来価値がとんでもないことになる可能性を感じていました。
株や投資信託のような伝統的な資産であれ、仮想通貨のような新しい資産であれ、特別自分が行動をおこさなくても勝手に増えていく資産は新たに投資をする余力がない時こそ貴重で、借金しか残っていないと絶望していた自分にとっては「この資産を手放してしまったら、本当に自分には何も無くなってしまう」と感じるほど宝物のような存在になり、絶対に売らないようにしようと決心する事になりました。
お金の現在価値と将来価値
奇しくも借金がキッカケとなり、現金以外の資産を持つことの重要性、資産の価値は時間の経過と持ち方で変化することの面白さに気づくことができました。
そもそも、お金の現在価値と将来価値の概念とはなんなのでしょうか?
お金の「現在価値」(Present Value, PV)と「将来価値」(Future Value, FV)は、時間の経過によるお金の価値の変化を理解するための基本概念です。
まず、現在価値とは、将来のお金の価値を現在の価値に換算したものです。例えば、1年後に受け取る100万円が現在いくらの価値になるかを計算します。この計算には割引率(ディスカウントレート)が使われます。割引率(ディスカウントレート)は、将来のお金の価値を現在の価値に換算するための「変換レート」のようなもので、今日の1万円と1年後の1万円は同じ価値ではありません。なぜなら、お金の価値は時間と共に変わるからです。その理由の一つがインフレで、将来の1万円は今日の1万円よりも購買力が低いかもしれません。
例えば、1950年代の日本では1杯のラーメンはたったの35円程度でしたが、現在では千円代は当たり前ですよね。これは物価が上がり、1円の価値が減少したためです。
一方、将来価値は、現在のお金が将来どれだけの価値になるかを示します。例えば、現在100万円を銀行に預け、利子が付くと、1年後にいくらになるかを計算します。利率が5%であれば、1年後には105万円になります。
インフレがこれらの計算に与える影響は無視できません。インフレ率が高い場合、将来受け取るお金の実質的な価値は低下します。例えば、現在100万円を持っていて、インフレ率が年間3%であれば、1年後にはその100万円の購買力は約97万円程度に減少します。これが「インフレによる価値の減少」です。
つまり、10年前に100万円を貯金していたとして、その100万円の価値は現在の物価上昇により相対的に下がっています。同じ100万円で買えるものが少なくなっているのです。すなわちインフレの影響を考えない場合、単に現金を保持することは価値を失うリスクがあることを意味します。
現在価値と将来価値の計算は、時間の経過によるお金の価値の変化を理解し、効率的な資産運用を行うための基本ツールです。将来のお金の実質的な価値を見積もることは、投資に熱心でない人でも日常生活を豊かにする上で非常に大切であると考えます。
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